≡イコール 〜霊能力者へ 『霊視1』より~
滑り落ちた時に 岩にぶつけたのか・・・

右足の膝が砕けている

あぁ くそっ 出血も止まらんっ!!

急がないと・・・あぁ・・瓜生・・

すまん・・・ 水が飲みたいだろう・・・

すまん・・・瓜生・・・うっ・・くっ・・・


こんな時・・他の人ならどうするだろうか

もし この世に『神様』がいるのなら

このオレの命と引き替えに 瓜生を・・・

いや・・生徒達全員を助けてはくれないだろうか



「神様・・・普段オレは信心深い人間ではありません!

でもっ でもどうか この命と引き替えに 

教え子たちの命を助けてはもらえないでしょうか!

今まで生きてきた中で 初詣も行かない代わりに

お願い事も貴方にしたことはありません!

この願いは 私にとって最初で最後のお願いです!

どうか どうか この土砂降りの雨を降らす雲を突き抜け

私の思いが 

神様・・・貴方に 届きますように! 

どうか・・どうか・・生徒たちを・・・」










「あっ あれ!車じゃないか?停まってる!」


「本当だ!!オレ走るぞ!」


「あぁ! 頼む!島田!!」


「おーーーーい  おーーーーい!」


「あっ 車が動き出した・・・

!!Uターンしたぞ!

まずい!行ってしまう!」


「おーーーーーい 待ってくれ!」


「待ってくれよーーーーっ 助けが・・・

助けが必要なんだーーーーーっ・・」
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