≡イコール 〜霊能力者へ 『霊視1』より~
「中道・・・」

白いTシャツの男性が

青いTシャツの男性に声をかけた

どうやら 今 オレのためにうどんを茹でている

この男性が 『中道さん』らしい・・・


「あっ?どうした?」


中道さんは 何げに白いTシャツの男性の方を向いて

そう答えた


「・・・彼・・らしい・・・

さっきの 日村さんの話しの・・昨日の・・・」


そこだけ 白いTシャツの男性が話すと

中道さんは オレではなく

まず 日村 令子を振り返った


日村 令子はというと そんな 中道さんの視線を

無視するかのように 今ついでもらったばかりの

うどんを 素知らぬ顔で食べていた


中道さんは 目を合わせない 日村 令子から

ゆっくり こちらに顔を戻すと

今度は じっとオレを見た


「キミか・・・」


中道さんは とても神妙な顔つきでオレを見ていた


「日村さんから 話しは聞いているんだって?」


神妙な空気を 打ち破ったのは

白いTシャツの男性だった


「あっ・・ はいっ・・」


憶測だけの世界が 突然目の前に飛び出してきたようだった

目の前の『中道さん』は やはり さっき日村 令子が話していた

『中道くん』のことで・・・もう一人の

この男性は・・・島田くんか瓜生くん・・・かな?


「はは・・ 

話しの中ではまだ『学生』だったオレたちだけど

目の前に現れたのが こんなオヤジで

驚いただろ!こいつが 中道で オレは島田だ」
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