好きな人は芸能人*ラブソングは始まりの合図*
ノックをして入って良かった。

なんせ、まだ、Sakuさんとマネージャーの圭さん、安奈が打ち合わせの途中らしかった。

即座に、部屋を出ようとドアノブに手を掛けると後ろから声が掛かった。
「あれ?もしかして、私を呼びに来た??」
「いえ、ここの片付けを言われたので…。」
「片付け?それ、山田主任に?」
「え…えぇまぁ…。まだ、会議中のようなのでまた伺いますね。」

早いところ会議室から出ようと話を切り上げ、逃げるように会議室を後にした。

「なんで、あの子はあんなに他人行儀なの?」
「久美は周りに誰もいなかったとしても会社内ではいっつもあぁ。私としては淋しいんだけど。」
「そういや、安奈はこの前のコンサート来たんだろ?」
「うん。久美も一緒にね。」
「えぇ!?あの子が??Sakuのファンだったの?」
「違うわよ。私が一緒に行くはずだった子にドタキャンされて久美を誘ったの。コンサートも初めての子でアイドルに興味のカケラも示さないのよ。」
「今時、珍しい子だねぇ。ね、Saku?」
「あぁ。面白いコだよね。」
そんな会話がされてただなんて、私は微塵も知らなかった。
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