雪に消えたクリスマス
12月9日。
 俺が起きたのは、すでに時計が正午を指していた頃だ。
 窓の外は、相変わらずの曇り空。
 重たい雪は、道路の縁にも残らず、小さく水たまりを作っているだけだった。
 薄暗い部屋の中は、あちらこちらに白い埃溜まりを作っている。
 俺は、ため息を一つつき、今日は大掃除を決め込むことにした。
 まず、掃除機で床の埃を吸い上げる。
 全部の部屋をやると大変なので、まずは寝室だけでも、少しは機能するように、埃を落とす。
 これに二時間ばかりかかった。
 次は、雑巾がけ…。
 水道の蛇口を捻り、まず熱湯を出す。
 次に、冷水の蛇口を開き、ちょうどいい温度になるまで様子を見て、バケツにぬるま湯を溜める所から始まった。
 掃除機で、いくら埃を落としたといっても、中々侮れないのが、この埃というやつ。
 雑巾で一撫ですると、もう、一面真っ黒になる。
 俺は、思わずくじけそうになる思いをグッと耐えて、雑巾がけに励む。
 布団は、シーツやカバーを洗って、後はコインランドリーの乾燥機でも使わなければ、乾きそうにない。
 幸い、近くにコインランドリーがあったので、そこで、洗濯と乾燥をさせよう。
 自分の家を、まともな生活ができる所にするのに、かなり時間がかかるようだ。
 
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