雪に消えたクリスマス
決心は、ついたか?

「あぁ、手間…とらしたな…」

 こちらも面白いモノを見せてもらった。

「サンキューな…あのグラス…あんたの仕業だろ?」

 わたしには造作もない事だ。礼には及ばない。

「…でも、もう少し待ってくれればいいのに…そしてら、クリスマスだったのにさ…」

 時間は、守らねばならぬ…そして、もう、時間だ…。

「あぁ…そうか…。なんだか、少し怖いな…」

 怖がる事はない…。お前達の体は、もともと宇宙から創られたのだ…それが、また、宇宙に還っていくだけの事だ。 

「そんな事言われてもねぇ…」

 安心しろ…。目に見えなくとも…肌で触れなくとも…全てのモノは宇宙を流転している…。別れるモノは再び出会い、別れ、そして全ては一つになる。

「…わかんねぇよ」

 …わかるさ。

「…最後に一つ質問。本当のトコロ…お前はいったい、誰なんだ?」

 その質問に答えるのはよそう。あまりにも答えが多過ぎる…。さぁ、時間だ………。
 
 

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