雪に消えたクリスマス
しかし、これは大いに弱った。
 俺は、ウララの携帯電話の電話番号は覚えていたが、自宅の電話番号は覚えていない。 
 自宅の電話番号ならば、電話帳を見ればよいのかもしれないが、そもそも、ウララがまだ自宅にいるかどうかもあやしい…。
 何せ二年が経っているのだ。
 もう大学も卒業し、仕事についていることだろう…いったいどうすれば………。
 …仕事? 
 そうだ職場だ!職場にかければいいんだ。
 俺は、冴えた脳味噌に感嘆した。
 勿論、俺はウララがどこの会社に勤めているかなんて知らないが、俺にはそれを確かめる手段があった。
 …大学である。
ほとんどの場合、大学で斡旋された企業に内定をしてから、大学を卒業する事が多い。
 大学に行けば、ウララがどの会社に勤めているか分かるだろう。
 俺はウララと同じ大学の生徒…ということは、大学でウララの就職先を聞く事は容易いということだ。
 うん、今日の俺は冴えている。
 有言実行、即日決断。
 俺はさっそく、大学に顔を出すことにした。
 俺はまだ、あの大学を卒業していないのだ、生徒として、学校に入っていっても、なんら悪びれる必要はない。
…もっとも、まだ俺の在学が認められて入れば…の話だが…。
 
 
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