雪に消えたクリスマス
俺は愛車に跨ると、いつものようにキック・スターターで、エンジンをかける。
いくらバッテリーを充電したといっても、この冬の気温では、セル・スイッチを使ったところで、またバッテーリがあがってしまうのがおちだ。
数回キックを踏みつけると、愛車はヴヴヴゥンと、元気なうなり声をあげる。
しばらくの暖機の後、俺はアクセル・グリップを捻ると、スミレ色の冬空の下を走り出した。
相変わらず、液晶画面には0が四つ並んでいる。
今回は、ちゃんと手袋もしているので、いくらかは寒さが軽減したが、やはり冬の寒空にバイクで走るのは辛い…。
下手にスピードが出るだけに、その寒さは乗った者意外は分からないという、想像を絶するモノになる。
しかし、自宅の自動車は、すでに処分されていたため、俺の唯一の移動手段は、このバイクだけに限れている。
ここは、根性でこの寒さを乗り切るしかないのだ。
俺がバイクを走らせると、それを待っていたかのように、冷たい雪が降り出してきた。
水分を多量に含む、霙のような雪…。
俺がため息をつくと、その息も白く凍る。
学校までは、バイクをとばして30分くらいかかる。
中途半端な午前の国道は、意外に車の走る量も少なく、俺はつい、スピードを出し過ぎてしまう。
これならば、予定より早く着きそうだ。
赤信号が変わるのを待つ間、俺は、悴む手を愛車のエンジンの熱で暖める。
「おや?創真さんじゃないですか?」
そんな俺に、声をかけてきたヤツがいた。
いくらバッテリーを充電したといっても、この冬の気温では、セル・スイッチを使ったところで、またバッテーリがあがってしまうのがおちだ。
数回キックを踏みつけると、愛車はヴヴヴゥンと、元気なうなり声をあげる。
しばらくの暖機の後、俺はアクセル・グリップを捻ると、スミレ色の冬空の下を走り出した。
相変わらず、液晶画面には0が四つ並んでいる。
今回は、ちゃんと手袋もしているので、いくらかは寒さが軽減したが、やはり冬の寒空にバイクで走るのは辛い…。
下手にスピードが出るだけに、その寒さは乗った者意外は分からないという、想像を絶するモノになる。
しかし、自宅の自動車は、すでに処分されていたため、俺の唯一の移動手段は、このバイクだけに限れている。
ここは、根性でこの寒さを乗り切るしかないのだ。
俺がバイクを走らせると、それを待っていたかのように、冷たい雪が降り出してきた。
水分を多量に含む、霙のような雪…。
俺がため息をつくと、その息も白く凍る。
学校までは、バイクをとばして30分くらいかかる。
中途半端な午前の国道は、意外に車の走る量も少なく、俺はつい、スピードを出し過ぎてしまう。
これならば、予定より早く着きそうだ。
赤信号が変わるのを待つ間、俺は、悴む手を愛車のエンジンの熱で暖める。
「おや?創真さんじゃないですか?」
そんな俺に、声をかけてきたヤツがいた。