雪に消えたクリスマス
事務室へ行くために校内に入ると、数人の女性とや男子生徒が、自販のコーヒーでも飲みながら話している姿があちらこちらに見える。
当たり前だが、その中に俺の知った顔はなかった…。
俺は、そんな生徒達を後目に、事務室へと急ぐ。
事務室にも、沢山の生徒達で賑わっていた。
冬休み前のこの季節には、補講の質問やら、受講料の相談やらと、立ち寄る生徒が多いのだろう。
俺は、事務室の就職課という案内が出ている場所に足を運ぶ。
こちらの方は、賑わっていた事務とは違い、なんとも暇そうだ。
就職課にいたのは、二十代後半の細い眼鏡をかけた女性だった。
暖房のきいた部屋で、首を上下にコックリ、コクリさせている。
目は開いているようなので、寝てはいないだろうが、今にも眠りそうな雰囲気だ。
「…すみません」
俺が声をかけても、しばらく相手からの反応はなかった。
「すみません!」
「えっ?あ?はい?」
俺が、強い口調で言うと、やっとその女性は俺の事に気がつき、慌てて、かけていた眼鏡を自分の目元に押し戻す。
こいつ…実は目を開けていたまま寝ていたのではないだろうか?
「…はい。何でしょう?就職の相談ですか?それでしたらぁ…」
ややあって、事務的な口調で俺の応対をするその女性は、俺を見て少し驚いた顔をした。
と、言うか、俺もその女性を見て驚いた。
「…秋月君?久しぶりねぇ…って言うか、生きてたのォ?」
当たり前だが、その中に俺の知った顔はなかった…。
俺は、そんな生徒達を後目に、事務室へと急ぐ。
事務室にも、沢山の生徒達で賑わっていた。
冬休み前のこの季節には、補講の質問やら、受講料の相談やらと、立ち寄る生徒が多いのだろう。
俺は、事務室の就職課という案内が出ている場所に足を運ぶ。
こちらの方は、賑わっていた事務とは違い、なんとも暇そうだ。
就職課にいたのは、二十代後半の細い眼鏡をかけた女性だった。
暖房のきいた部屋で、首を上下にコックリ、コクリさせている。
目は開いているようなので、寝てはいないだろうが、今にも眠りそうな雰囲気だ。
「…すみません」
俺が声をかけても、しばらく相手からの反応はなかった。
「すみません!」
「えっ?あ?はい?」
俺が、強い口調で言うと、やっとその女性は俺の事に気がつき、慌てて、かけていた眼鏡を自分の目元に押し戻す。
こいつ…実は目を開けていたまま寝ていたのではないだろうか?
「…はい。何でしょう?就職の相談ですか?それでしたらぁ…」
ややあって、事務的な口調で俺の応対をするその女性は、俺を見て少し驚いた顔をした。
と、言うか、俺もその女性を見て驚いた。
「…秋月君?久しぶりねぇ…って言うか、生きてたのォ?」