雪に消えたクリスマス
 降りしきる重たい雪の中、俺はウララの車のテール・ランプが見えなくなるまで、ずっと彼女の去っていく方向を見つめていた…。

 12月13日。
 今日も、ウララが仕事を終え次第会う予定だ。
 今日の起床は11:00…。
 俺は、しまった!と思った。
 よく考えれば、ウララは今一人暮らしをしているのだ。
 わざわざ俺が見送らなくても、ウララの住むアパートに一緒に帰れば、こんな面倒な事をしなくてもウララに会えるのではないか? どこか抜けている自分に舌打ちしつつ、ま、ウララにも都合というものがあるだろうと、俺は一人で納得していた。
 取り敢えず、ウララに会うまでは特に予定があるわけではないので、俺は街をブラブラしながら時間を潰す事にした。
 暖冬暖冬と言われて久しい昨今だが、今年の冬は、例年にない寒さなのかもしれない。
 俺が外に出かけようとすると、途端に雪がちらついてくるのだ。
 この分だと、今年はホワイト・クリスマスになるかもしれない…。
 俺は、別にクリスチャンというわけではないが、何となく、クリスマス…ことホワイト・クリスマスになると嬉しい気分になるのは何故だろう?
 きっと、テレビのC・Mなどの影響なのだろうが、とにかく、楽しい気分になれるというのは良いモノだ。
 街は、クリスマスとその後に来るお正月の準備で大忙しだ。
 デパートや街灯には、綺麗なイルミネーションが飾られ、サンタに扮した店員がビラ配り…毎年よく見る光景だ。
 そんな街の情景を見ているだけで、あっというまに時間が過ぎてゆく。
 
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