雪に消えたクリスマス
ウララが、俺の腕をギュッと掴む。
 俺も、力強くウララの背中を包み込むように抱き締める。
 …息が白い。
 ウララが、ブルッと身震いをした。
「…今日は、もう帰ろうか………?」
 そして、二人は、別々の家へと帰って行った。
 別に、何がしたかったと言うわけではない。
 ただ、二人は共にいる…その感覚が味わいたかっただけ…。
 今日も、見送るテール・ランプの赤が、悲しく、憂いを帯びたように見えたのは、そんな、別れを惜しむ俺の気持ちからだったのかもしれない…。


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