雪に消えたクリスマス
 まぁ、それはそれとして、この手紙を読んでるって事は、創真君には会ったんだよね?
 アンタの事だから、春日部さんの事、創真君に話てないんじゃない?
 辛いのは分かるけれど、ダメよ!ハッキリさせなきゃ!不幸になるのはアンタなんだからね!
 それじゃ、何かあったら連絡ちょうだい。
        あなたの友達 葉子より』
 手紙は、そこで終わっていた…。
 俺は、しばらく呆然として、瞬きするのも忘れていた…。   
 …春日部 玲って、誰だ………?
 いや、俺は、その名前を知っている。 
その名は、俺の顔も知らない兄弟の名前だ。 春日部 玲…でも、どうしてウララがそいつと………?
 いったいどうなってんだ?
 わけがわからない…。
 この手紙の内容は、いったい…?
 葉子の手紙の内容は、いっこうに要領を得てないようにも思えるが、要約するとこうだ。 
 俺がいなくなっていたこの空白の二年間に、どういう訳かウララは俺の兄弟に会ったらしい…そして葉子の言葉から察するところ、ウララはそいつに好意を持っている…そして、二年振りに俺が現れたので、ウララはどちらかを選ぶべきだ…。
 こういう内容なのではないだろうか?
 ウララが、俺以外の男と………?
 
< 55 / 121 >

この作品をシェア

pagetop