雪に消えたクリスマス
・第六話 もう一人の俺…

 いつも、変わる事なく続く、時の中…

 花が咲き、葉は芽生え、散り、朽ちて、また生まれる…
 
 何百年も続けられる、自然の理…

 来年も、その樹には花が咲く…

 来年も、その場所には雪が降る…

 また、命は生まれ変わる…

 でも、ある日気づいてしまった…
 
 変わらない時の流れの中で、

  変わらず咲く花も、変わらず降る雪も、   
   そして、命も…
 同じように見えて、
 
  実は別のモノだと云う事に…

 時は流れて、自然の理を繰り返す…

 けれど、同じ時は二度とない…

 どれだけ似ていても、

  「似ている」と云う事と、
  
   「同じ」と云う事は、

    やはり、違っている…

 もし、昨日の自分と今日の自分が、同時に存在できたなら…

どちらが、「自分」になるのだろう…?
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