雪に消えたクリスマス
「玲に自分の気持ちを打ち明けた時、玲も言ったわ…私は玲に創真を重ねているんだって。でも、違ったのよ…違ったの…。どうして、創真は私の手を離したりしたの?創真が私の手を離さなければ、ずっと側にいてくれたら、玲にだって会わずに創真の事を愛し続けていられたのに…=どうして突然いなくなってしまったの?どうして今頃になって現れたりしたの?どうして………もう帰っては来てくれないの…?」
 そこまで言うと、ウララは泣き崩れて、後は嗚咽と白い息だけが、冷たい外気を白く濁らせていた。
「ちょっと待てよウララ…何言ってんだよ…俺はここにいるだろ?ウララの所に帰ってきただろ?これからはずっと一緒だよ。離れたり、いなくなったりしないよ=」
 俺が優しくウララを抱き起こすと、ウララは涙をいっぱいたたえた瞳で、俺の顔を真っ直ぐ見つめ、俺の顔を確かめるように、手で顔の輪郭を伝っていく。
「………だって、創真は…二年前のあの日に死んじゃったんだもん………!!」
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