雪に消えたクリスマス
俺は、愛車で住み慣れた街を一回りする。
 ちょっと見ただけでは、変わらないと思った街の風景も、探索してみると結構変わっている。
 知っている筈の店がなくなっていたり、新しいビルが建っていたり…。
 正直言って、その変化に驚かされた。
「二年…だもんな…」
 二年前、俺は事故に遭った。
 大したことのない接触事故だったが、即、救急車で病院に運ばれてしまった。
 まったく大げさな医者で、俺の返事も待たずに即入院…全治一ヶ月ってところだったかな?
 その後、なんとなく、ブラリと旅がしたくなった。
 誰にも告げず、ブラリと一人旅…。
 それは、理屈じゃなかった。
 どうせ行くなら、海外にと、英語もロクスポ話せないのに、単身で渡米…本当に、勝手だったよな…。
 そうこうしている間に、親父達が死に、その金で、また旅を続けた…。
 親父達の果たせなかった夢…というのも変な話だが、俺が代わりに、世界を見て回ろうかな?なんて考えたのかもしれない…。
 しかし、世界はあまり広くはなかった。
 見たいモノは見た。
 俺が心残りだったのは…。
 気がつくと、自宅の前に着いていた。
   
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