雪に消えたクリスマス
俺を乗せたイエロー・キャブのタクシーは、あるビルの手前で音もなく止まった。
「…ここは?」
俺は車から降り、天までそびえ立つような高層ビルを見上げながらタクシー・ドライバーに尋ねる。
だが、タクシー・ドライバーはニコニコと笑みを浮かべているだけでその質問には答えず、「私はここでお待ちしておりますから」と、俺をビルへ行くよう促した。
行けば分かる…と言うわけか?
俺は、促されるままに、高層ビルへ歩いて行く。
ビルの入り口には、大きな回転式の自動扉が設置されており、俺が近づくと、センサーがそれを感知して扉が動く。
ビルの中に入ると、まるで別世界だった。
淡い白を基調とした壁は、わずかに暈色を帯びている。
床は透明な青いパネルがはめ込まれており、それが壁の灯りを反射して、白い天上を青く染めている。
どことなく、神聖な雰囲気の漂うビル内のフロア…。
俺は、辺りをキョロキョロしながら、奥へと進んで行った。
しばらく長い廊下を歩き続けると、受付が姿を現した。
受付には、二人の受付嬢が天使のような笑みを浮かべて座っている。
俺が、受付嬢の一人と目が合うと、その受付嬢は俺に向かって小さく会釈をした。
「秋月 創真様ですね?お待ちしておりました」
鈴を鳴らしたような美しい声で、受付嬢が俺に挨拶をする。
「どうして、俺の名を………?」
その質問が愚問である事はすでに分かっていたが、俺はどうしてもそう聞かずにはいられなかった。
「…ここは?」
俺は車から降り、天までそびえ立つような高層ビルを見上げながらタクシー・ドライバーに尋ねる。
だが、タクシー・ドライバーはニコニコと笑みを浮かべているだけでその質問には答えず、「私はここでお待ちしておりますから」と、俺をビルへ行くよう促した。
行けば分かる…と言うわけか?
俺は、促されるままに、高層ビルへ歩いて行く。
ビルの入り口には、大きな回転式の自動扉が設置されており、俺が近づくと、センサーがそれを感知して扉が動く。
ビルの中に入ると、まるで別世界だった。
淡い白を基調とした壁は、わずかに暈色を帯びている。
床は透明な青いパネルがはめ込まれており、それが壁の灯りを反射して、白い天上を青く染めている。
どことなく、神聖な雰囲気の漂うビル内のフロア…。
俺は、辺りをキョロキョロしながら、奥へと進んで行った。
しばらく長い廊下を歩き続けると、受付が姿を現した。
受付には、二人の受付嬢が天使のような笑みを浮かべて座っている。
俺が、受付嬢の一人と目が合うと、その受付嬢は俺に向かって小さく会釈をした。
「秋月 創真様ですね?お待ちしておりました」
鈴を鳴らしたような美しい声で、受付嬢が俺に挨拶をする。
「どうして、俺の名を………?」
その質問が愚問である事はすでに分かっていたが、俺はどうしてもそう聞かずにはいられなかった。