不良
予想外の返答に俺は戸惑ってしまった。

頭の中が混乱し、色々と考えている内に健太が言った。

「証拠はあるのか!お前らが豪君と亮太だって言う証拠は!!??」

正直、俺はそんなに信用されていないのか?と少し凹んだ。


その時、亮太がカーテンの前に立ち、

「まどろっこしいんだよぉ!!!」

と言ってカーテンを一気に開けた。



開けたカーテンの中には確かに健太がいた。ケガも軽い。
だが、俺は信じがたいものを見た。


滅多にビビらない健太がぶるぶる震えていたのだ。




その姿を見た時、疑問が浮かんだ。

健太は何故証拠やらなんやら言ったんだ?しかも震えている。なにかあったのか?

俺はここで健太について考えてみる。

ベットの中にいるのが、中村健太。
学校の中でケンカは強い方だ。
根性があって何事にも立ち向かって行く。

たが、唯一それを見るとダメだと言う弱点があった。
それは、幽霊だ。
健太は霊感があり、見ようと思わなくても、念の強い霊は見えてしまうらしい。

俺はそこで頭に引っ掛かった。

ダメなもの?怖いってことか?健太は幽霊が怖い…………。もしかして………………?


と考えていると、健太がこちらに気付いたらしく、二人の顔を確認すると、

「ごっ………豪君!亮太ぁぁぁぁぁぁ!」

と泣き目になってしまった。

「オイ!健太!泣くなよ!どうしたんだよ!そんなに震えて!」

亮太が必死に慰めている。
俺はここである質問をすることにした。

「健太………。お前みたいに根性のある奴がそんなに用心深くなったり、震えたり、泣いたりするってことは…………、見たんだな?」

遠慮せず、一気に聞いてみた。

健太はまだ少し泣き目だが、頭を縦に振った。


「うん………。昨日見ちゃったんだ………。」

亮太はなんの事かさっぱりのようだ。

それから、健太が昨日みた物を話し始めた…………。
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