不良
「よわッ………」


「クッ………」


稲垣はまだ立とうとしている。


だが体が震えて立てない。

「無理すんなよ。しかも返り討ちになるだけだぞ」


そう言って俺はその場を離れた。




そして近くに座りこんでいた女の子の方に向かった。

「大丈夫か?怪我は?」


そう声をかけるとうつむいていた女の子は顔を上げた。


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