不良
俺らは橋の下から出て、歩道を歩く。


「あのさ、名前、なんつーの?」


俺は唐突に聞く。


「あっ、橋本由佳です。」

そう言うとまたうつむいてしまった。


長い沈黙が続く。


俺はそれに耐えきれなくなり話を切り出す。


「稲垣にやられた事は気にすんなよ。あいつもコレでこりただろうしさ」


と明るめな口調で話す。


「はぁ…………」


まだ女の子はくらい。


「そんなに落ち込むなって!」


俺はなんとか元気付けようとする。


返事がない。


またもや沈黙。


「あっ。ここです」


女の子はそう言って前の家を指差す。


「おっ。着いた?じゃあこの辺で。」


と俺は帰ろうとする。


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