不良
振り返った時、いきなり腕を掴まれた。


「なに?」


俺はそう言って振り返る。

「あの…………。名前は?」


橋本は少し照れ気味で聞いてきた。


「あぁ。言ってなかったっけ。俺は神崎豪だよ。」


俺はうつむいている橋本に向かって言う。


「神崎………くん。」


橋本はそーいってまた黙ってしまった。


「あっ。じゃあまた何かあったら、電話してよ。特に稲垣はね。」


そう言って俺は紙に携帯番号を書いて渡した。


「はぁ…………」


そう言ってまたもや黙ってしまった。


「…………じゃあこの辺で」


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