兄と秘密の恋愛を

隠せない気持ち

「お兄ちゃん・・?」


何ソレ、


何の冗談――


「・・・美央・・・」


お母さんが、私を病室の外に呼んだ。


いやな予感しかしなかった。


「な・・・んて?」


「隼人、記憶喪失なの」


「そんな・・・」


「家族の顔、名前、自分の名前さえ分からないの」


それってどれだけ、


つらい事なんだろう――
< 23 / 85 >

この作品をシェア

pagetop