君詩

時のフーガ

キミの前で流した涙…きっとそれは桜色…。

「春は出会いと別れの季節」なんて言う。
それもあってるケド本当は「春は涙の季節」
卒業式のキミの言葉に
アタシは涙をこらえられずに
上を向いた。
ココを去って行くのはアタシじゃなくてキミ。
アタシの泣く番じゃない
そう分かっているのに
なぜか心が言うコトを聞いてくれない。

キミのボタンを見つめなんども泣いた
キミと過した時間が
あまりにも楽しすぎたから
心の中でぐるぐると思い返すのは
キミとの時間
まるで恋でもしたみたい。

目線と目線が絡み合う。
なんで同い年じゃなかったんだろう
見送りたくなんかなかった
一緒に去りたかったのに…
それは時のフーガ
いつまでも続く追いかけっこ。

アタシの前に咲いてる桜…きっとこれは涙色。

あたしの肩に桜の花びらが舞い降りた―
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