ヴァンパイアKISS ~姫の王子?~
毎日考えていた【死】についての理想が、少し、近づいた気がした。
「おい」
「へ??」
急に呼ばれる。私は思わず変な言葉になってしまう。
「姫の部屋に来て、まずどうする??」
・・・そう。
とりあえず家には連れてきたものの、何をするとかどうしたいとかの理由はない。
あの場にいたら、いつか姿を誰かに見られる。ただ、それだけの理由で、私の家に連れてきたのだった。
「別に・・・ってかさ。姫って呼ぶのやめてよ」
私は少し怒ったように言う。
「姫は姫だ。俺の嫁なのだからな」
「よ、嫁?!」
「当たり前だ。俺の主人=嫁に決まってる」
なんて勝手なヴァンパイアなんだろ・・・。
私は思わずため息をこぼしてしまう。
「私はっっ!!あなたの嫁にも、主人にもならないし。早くどっか行ってよ」
自分で連れてきておいて・・・とは思ってしまうが、仕方ない。
あんなとこにいたら、私も怪しまれちゃうし??