ヴァンパイアKISS ~姫の王子?~
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「おっはよぉ」
紗世が朝から元気に私に向かって言ってくる。
私は何も言わないでそのまま歩き出す。
「なにぃ??なんかめっちゃ不機嫌じゃん??」
「別に・・・ただイライラしてるだけ」
「ソレを不機嫌と言わずになんと呼ぶ?!」
紗世が笑いながら言う。だが、私は笑う気にはなれなかった。
「美姫が元気ないとつまんないっっ」
「私はいつも紗世みたいに元気じゃないでしょっ?」
「だってぇ」
紗世がつまらなさそうにして私の隣を歩く。
私は、ふと思い出したコトがあった。
「ごめん、本なんだけどさ・・・」
「うん??」
「今日も忘れてきちゃった」
「まぢかぁ・・・」
なんだか楽しそうな顔。
「別にいつでもいいからね♪」
紗世は言う。
「なんでそんな楽しそうに言うわけ??」
私は少しムッとした表情で聞く。
「だって~美姫が少しでもヴァンパイアに興味もってくれてるってコトじゃん??だから、嬉しいわけっ」
紗世は本当に嬉しそうに話していた。
実際は、その逆なのに・・・