ヴァンパイアKISS ~姫の王子?~
私はそのまま、紗世の話を聞いていた。
いや、表面上だけで聞いていて、中には全く届いていない状態。
だから、紗世がその後何を話していたかなんて、全く分からない。
「それじゃあ、HRを始めるぞぉ」
20代のお兄さん的存在の先生が、元気に言う。
女子の一部では、人気だったりして。
「っと・・・その前に。1つ上のクラスに転校生が来るらしい。お前らも見かけたら、しっかり挨拶してあげるように」
・・・なんだ。
転校生って、私たちのクラスじゃないじゃん。
何処かつまんないと思っている自分がいた。
だが、それ以上に紗世は、もっとつまんなそうな顔をしていた。
私と目が合うなり、今にでも泣き出しそうな顔が私の目にうつった。