ヴァンパイアKISS ~姫の王子?~


「お前・・・俺のモノに手出すとはな」


コイツ・・・


なんでっっっ


「テメっ転校生の分際でっっ」


男の一人が殴りにかかる。


周りの女子たちは口を手で抑えて、声にならない叫びをあげようとしていた。


「ふっ」


なのに・・・


転校生と呼ばれる男は、小さな笑みを浮かべながら動かない。


私はソレをジッと見つめる。


「余裕こきやがって!」


そして


「ごふっっ」


人間とは思えないような声が、廊下に響き渡る。


「が・・・はっ」


真っ赤な血が、男からポタポタと垂れる。


「きゃあっっっ」


女子の群が叫びながら、その場に座り込む。


力が抜けたというトコだろう。


血を流した男は・・・転校生、ではない。


殴りにかかった男の方だった。






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