ヴァンパイアKISS ~姫の王子?~
「何考えてんの?!」
私たちは今、学校の屋上にいた。風が冷たくてちょうどいい。
「何って・・・姫を守るのは王子の仕事であろう?」
「だっ・・・だから!私は姫にはならないってば!!」
転校生の男の正体
自称 ヴァンパイアのユウだった。
「そもそも何で学校にいるわけっ?」
「姫に悪い虫がつかないか監視するためだが?」
ユウは、首を傾げながら真顔で答える。
私は、イライラが増すのを感じていたと同時に、コイツに何を言っても無駄と思った。
「それより姫、何故逃げた?」
「は?」
ユウが不思議そうに聞く。思わずため息が漏れてしまう。
「あんなトコで目立って、ヴァンパイアってバレるよりマシでしょ?!」
「ふむ・・・」
ユウは、考えこむようにしてうなづいた。