ヴァンパイアKISS ~姫の王子?~
「目さえ見れば分かる。コイツは本気ではないなって。だからソレにのってやった」
ユウが言う。
「少しビックリしたけどね。でもドキドキしてよかったかも」
紗世は顔を赤くしながら言った。
私は、そんな2人の会話を聞いて、自分の中にこみ上げる怒りを爆発させた。
「バカっっ!!」
そしてその場にしゃがみこんで、泣く。
「な、なんで泣いてんのよ?!そんなにあの人が好きだったわけ?」
紗世は冗談を交えて聞いてくる。私は答えない。
「おい」
ユウの声が上からした。
「このまま血を吸うぞ」
少し肩を震わせたが、何も言わない。
「首が丸見えだ。吸って欲しいといわんばかりに」
そして、ユウがその場にしゃがみこんだのか、気配が近くにあるのを感じた。
私は、息を吐く。
「ふんっ。では、いただくか」
そういって、私の首に吐息がかかる。
そして
「バーカっっ!!」
泣きまねに引っかかったユウの顔を思いきり叩いてやったのだった・・・