ラスト・メッセージ
「水口君、グラス。」


「あ、はい。」


空のグラスを持つと、お父さんが注いでくれた。


「有難うございます。さ、お父さんも」

「すまんな。」


お父さんにビールを注ぐ。


「あなた、式はいつにします?」


「ブハッ!!」


口に含んでいたビールを、真向かいにいる俺に吹き出した。

「んもぅー、お父さん汚いよぉ。」


「京子が、急に変な事言うから…。」


「ほら、お父さんタオル。章ちゃん、早く拭かないと、シミになっちゃう。」


稟が、いそいそと俺の濡れた部分をタオルで拭き出す。


「稟……随分じゃないのか?
お父さんには、タオルを渡すだけか?」

少し、しょげていた。


「だぁーって、章ちゃんは、私の旦那様なんだもん!
お母さんにやってもらいなよ。」


稟……つえぇ…。

俺も将来、娘にこんな仕打ちを受けるのか……?


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