ラスト・メッセージ
暫く二人で、喋っていた。

いつしか、アルコールの入ったグラスも次々交換していく。

「ぼちぼち出るか?」


かなり酔っている彼女に声をかけた。

「えーっ、もう?」
ハッキリとした凛々しい目は、すっかり潤んでいて、ぼんやりとなっていた。

てか、俺も正直キツい。

そんな時、俺の携帯が鳴った。

「誰だろう…。」

携帯を取ってディスプレイを見たら、

『稟』だった…。

タイミング悪過ぎだぞ、稟…。

通話ボタンを押した。

すると、ちょっと不機嫌な稟の声。

「もしもし、あきちゃん、今どこ?

10時に電話くれるって言ってたから、ずっと待ってたのに…。」

マズい…。


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