ラスト・メッセージ


こんな事、稟に言えない……。


認めたくない……。


何で……稟……?


病室のベッドに横になる稟……。


俺には、何事も無かった様に、笑顔でいるしかなかった。


「あっ、章ちゃん。どうだって?」


正直、応えられなかった。


「ただの、疲れだってさ?
数日間、入院したら治るってさ。」


「また、入院すんのぉ?飽きちゃったよぉ。」


と、頬を膨らます。


「だよな……。
俺、お義母さんに電話してくるから。」


それだけが………


精一杯だったんだ。


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