ラスト・メッセージ
「あっ、章ちゃん。遅かったんだね。」

雑誌を読んでいた稟が、俺に視線を移した。


「ああ…。外に出てタバコ吸ってたから。」


とっさについた嘘だった。

稟は勘が鋭いから、俺のちょっとした変化にも、すぐ気付く。


「そう。あんまり、タバコ吸い過ぎたらダメだよ?
癌になっても知らないよ?」


「そうだな…。」


稟の笑顔が辛い。


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