ラスト・メッセージ
「それは、俺も同じです……。
稟は、何も悪くないのにって……。
稟や、自分の両親なんかに、いつも迷惑かけて…泣かせてるのに、何で……俺が生きてるんだって……
稟の痛みや、苦しみは、何で俺じゃないんだって………。
稟は……まだ二十歳過ぎたばかりです……。
これからなのに…」

いつから、俺はこんなに泣く様になったんだろう………。


何が有っても泣かなかった俺が……。


たった一人の女の為に…。


妻の為に………。


女々しい男になってしまったんだな。


幼い頃から、『男が泣くな!』と親父に躾られてきたのにな………。



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