ラスト・メッセージ
久しぶりに俺は稟と風呂に入った。


最初は、「恥ずかしいから嫌だ!」

と渋っていた稟だけど、倒れられたら困るからと、お義母さんが反対した。


「恥ずかしい…から…見ないでね?」


見ないでと言われると、余計見たくなるのが、男だ。


俺の前に背中を向けて、湯舟に浸かる稟。


背中越しから抱きしめた。


「章…ちゃん?」


「もう少し……あと少しだけ、こうさせて?」


肩や背中は、しばらく見ないうちに、骨が浮いていた。



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