ラスト・メッセージ
「水口は?」

「あっ、俺はこれから収録するトーク番組っす。」

「そうか、頑張れよ?たまには、飲みに行こうな?」

そう言って、俺の肩に優しく手を置いた。

「はい、是非誘って下さい。」

「じゃあ、お疲れ」
「お疲れ様でした。」

俺は、深々と頭を下げた。


この業界は、足の引っ張り合いな所が有る。

若くても、ブレイクして、一躍時の人にもなると、中堅の人や、同年代の奴らは気にいらない。

一見、テレビの世界は華やかに見えるが、中に入るととんでもなくドロドロしている…。

皆、売れてなんぼだから、必死なんだ。

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