ラスト・メッセージ
「章ちゃん、どうしたの?
深刻そうな顔をして。」

不安げな顔で俺の顔を、下から覗き込む。

「何でもないよ。」
稟の髪をクシャッと撫でた。

「行こ?んもぅ、喉渇いたぁ。」

ふっ…。

やっぱ可愛い、稟は。

俺の表情や、言葉一つでコロコロと顔を変える。


「なあ、稟?
もしも……もしも俺が、浮気してたらどうする?」

「えっ…?」

さっきまでの笑顔が消えた。

「いや、だから例えばだよ?」

「なぁんだ。
そうだなぁ……串刺しにして、バーベキューにするかぁ?」

悪戯な目をして、俺を見上げた。


くっ…串刺し?


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