ラスト・メッセージ
「ねぇ、このシルバーリングに誓って?
ずっと……私だけだって…。」

稟が、自分の左手で、俺の左手を取った。

「章ちゃんの、隣にいるのは私だけだと言って?」

「稟…?」


「章ちゃんに、一度言ってみたかったの。

大人の女の人みたいなセリフ。

テレビドラマの主人公みたいな事、言ってみたかったの。

ごめんね?

重かったね。」


そう言って無邪気に笑う稟を抱きしめた…。


「章ちゃん?」


いきなりの事に、キョトンとした稟。


「じゃあ、俺は主人公の相手役な?

どんなストーリーにするんだ?」


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