ラスト・メッセージ
「えっとね?

例えば、私が病気なの。
癌とかの、治らない病気?

それで、もう助からないみたいな?」


「いいな、それ。
俺、我が儘でどうしようもない奴って
どうよ?」


「アハハ。
それじゃあ、章ちゃん役作りいらないじゃん?
素で出来るじゃん」

吹き出す稟に、

「ひでぇなぁ。

俺そんなに、どうしようもない奴?」


「そうじゃん?」

「絶対、稟ムカつく~!
お仕置きしちゃる!
来い!!」

ふざけて稟に覆いかぶさった。


「きゃあぁぁ!
止めてぇ~?
ごめんてばぁ~!」

稟を、『これでもか』とこそばす俺。

何処がこそばいか、知っている。


稟の事なら、何でも知ってる俺だが、


知らなかった事が、有ったんだ……。


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