ラスト・メッセージ
「どんなふうにキスされた?」


稟の耳元で、わざとに聞いてみる。

そういうノリの質問が、稟は苦手だと知っている俺は、ちょっとSな部分を出してみる。


「章ちゃん…の…
バカ…。」

俺から視線を外し、自分の足元ばかり見ている。

「キスしてくれないと、消毒できないよ、稟ちゃん?」


「今日、いた雑誌の人…綺麗だったね。章ちゃんの好みっぽい。」



ドキッ…



「稟?」


「あんな素敵な店で、あんな綺麗な女の人と食事するんだぁ…?」


ニヤリと笑う稟が、凄く大人の女に見えた…。


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