あなたじゃなきゃ
1ウルッ目
「……大丈夫かい?」
刑事さん…
「警察は、こーゆーのに関わっちゃだめなんですか…?」
「え」
「暴力団の掟は…破っちゃダメなんですよね」
「…………ああ……。すまないね…。」
「いいです。分かってます。」
「(この子…大丈夫かな…)」
「聡は…若気の至りだって自分のこと…」
「君は…」
「いいんです…」
「昨日…3年ぶりに会ったんです」
「え…」
「今までも…、このでかい家に一人でした。
それでも、聡が生きてるうちは、またいつか会えるって期待がありました。だから…、大丈夫だったのかも。
今は期待すらさせてもらえないなんて…。
聡を惜しむ人は私以外にいないから…
葬式なんかできないし……。
刑事さん……」
「……なんだい?」
「いつになったら私、幸せになれますか」
「っ…(なんて不幸な子なんだ…)」