あなたじゃなきゃ



「じゃあ、遺体は…」


「火葬してください。両親の墓に入れます。」


「わかった。じゃあ、また会うまで…元気でね。」


「はい」










明日学校がなくてよかった。







きっと今の私の顔じゃあ





裕亮は好きじゃなくなっちゃう…







大丈夫…



やっていける…








警察署から帰宅している途中、

私の叫び声を聞き付けてくれたおばさんが





「あ…明日香ちゃん…大丈夫?」





と話かけてくれた







「あ…ありがとうございます。……慣れてますから」






「あっ……。……お家きれいにするの手伝うね…?」





あぁ…忘れてた。




帰宅したって泥だらけで聡の死を痛く思い知らされるだけなんだ…





「ありがとう…ございます……。助かります。」





「無理しちゃだめよ…」






おばさん……






「ありがとう」






引きつっていたかな


それでも今できる限りの笑顔を作った






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