あなたじゃなきゃ









ピンポーン



裕亮…





ガチャッ



「ハァハァハァ…大丈夫か?」





息切れてる…


走って来てくれたんだね





「!…泥だらけじゃねぇか……」






まだ掃除し終わってない床をみて裕亮が言った








「…っ…………聡が…死んだの…」







「え………?」








「聡は暴力団から手を洗おうとしてたみたい。」







「あすか…」







「……っ……慣れてた…………




はずなのになぁ…




うっ…ひっく…




出ちゃうんだもん…なみだ……」






冷え切った、濃い塩味の


涙だった。







これが蒸発して聡と共に天国に上がっていけばいいのに……



涙は泥だらけの床に落ちていくだけ…









「明日香…」





裕亮がそっと抱きしめてくれた





その後力をギュッといれて










「聡さんのかわりじゃないけど…、俺が一生明日香の隣にいるから。



…安心しろ。」









言ってくれた。







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