あなたじゃなきゃ








「16年間、彼女とか友達とかいたっちゃいたけど、なんか…しっくりこなくてさ。




でも最近、学校が本当に楽しいんだよ。




山とか、ゆっちとか、何でも話せる友達が出来たこともそうだし




何より、



明日香がいるから。」





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嬉しい…けど、少しゆっちの名前が出てきて反応してしまった自分が嫌。




もう、そんなんじゃないのに




裕亮に秘密事があることが…こんなにも苦しい。





「俺、意外と奥手なんだよな~」


「ぷっ!何それww」


「だって、明日香のことは最初っから好きだったのに、はじめの1ヶ月はほとんど話さなかったからな。」


確かに…




「結構苦戦してたんだぞ?みんなに打ち明けたのはかなり早かったものの…



あ!しかも、俺が何もアクション起こさないからってみんなが諦めたのか、ってしょっちゅう聞いてくんだよ。ありえねーって。」





ありえないんだww



「運命ってさ、再会することで初めて偶然が必然に変わるもんだと思うんだ。



俺は、明日香を忘れなかったから、再会って気付いたんだ。



気付けたらもう、運命なんだ(笑)」





何を言ってるんだ、彼は(笑)




「あたしだって、思い出せたんだから、本当に本当の運命だね。」




そう、二人の運命が重なって初めて、



赤い糸は結ばれるのでしょう。





結び目のない糸はいつかするするとおっこちてしまうでしょう。





私の小指に巻きついた赤い糸

あなたを探していました。

あなたの小指に巻きついた赤い糸

私を見つけてくれました。




2本の赤い糸が出会って初めて糸は結び目をつくるのでしょう。



決して切れることのない結び目を





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