あなたじゃなきゃ





ふぅーー




昨日なんだか寝付けなくて
朝も早く起きてしまって
裕亮には申し訳ないけど
学校にも早く来てしまって


教室に一人で大きい溜め息をついてしまった




「溜め息かぁ?(笑)」



!!!




「おはよ…」

「はよ」



こいつは前に私に「彼氏いんの?」って聞いてきた…モテるらしい男子


湯澤拓海(ユザワタクミ)だ



「なんかあったの?」


鋭いなぁ…と思いつつも


「なんも」


と素っ気なく答えた



私こそ男子と2人っきりで楽しそうに話してたら裕亮に合わす顔がない…



「冷たいなー


彼氏となんかあった?」





「うっさい!


なんかあっても湯澤には言わないし!」





「やっぱあったんだー




気づいてると思うけど



俺岬のこと好きだったんだよね」




………はぁ!!!???




「なに言ってんの!?」



「あれ?気づいてなかった?


まぁそんな鈍さも可愛いんだけどさー」




今までさんざん
「うぜー」とか「それでも女か?」とか言ってきたくせに…意味わかんない!



「だからなんかあったら…



チャンスなんだよね



俺にとって」




「……ばっかじゃないの!?



なんもないって言ってるでしょ」



「じゃあ何で今日彼氏と登校してないの?」



あ…



「それは…」


「(ニヤッ)ほーら!」



…………




「だからって私、あんたのこと好きにならないし」





そうだよ!


あくまであたしは


裕亮が好きなんだから




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