あなたじゃなきゃ

初めて会ったときの智輝さんは一人でもぺちゃくちゃ話してる人だったのに…




今日は息が苦しいくらい静か…




｢あの…｣




思わず私が沈黙を破ってしまった




｢ん?｣



｢就職してるんですよね？どこなんですか？｣



前に気になっていたことを普通に聞いてみた



｢俺の苗字ね、シマダなんだ｣



｢え!!!



もしかしてシマダホテル会社ですか!?｣



｢そ♪


御曹子なのよw｣



そのわりには…悲しそうなトーンで



｢どうしたんですか?



初めて会ったときの明るさが嘘みたいです(笑)｣



｢…だよね、こんな俺変だよなーww｣



…ムリしてるのわかっちゃうよ



いくら関わらないようにしてたって



これは…関わらずにはいられない



｢ムリしないでください



何かあったんですか？｣



｢明日香ちゃんさ、





俺が君のこと好きってわかってる？｣




えっ




｢そーゆー嬉しいこと言うなよ



今、結婚の話がでてて、今日で明日香ちゃんのこと諦めようとしてるんだからさ



諦められなくなっちゃうじゃん｣






…………そうだったんだ…




｢ごめんなさい…｣



｢あー…別に、明日香ちゃんが謝る必要はないんだけど




俺がずっと好きだったら迷惑でしょ?明日香ちゃんも

ってこと…｣




｢好かれて、嫌な人なんていないです…




私は智輝さんには応えられないけど



嬉しいですよ｣