あなたじゃなきゃ
そのあと私達は別れた
家に着いたのは9時になる10分前だった
柚希からきた電話で事情を話して一段落したとき
裕亮から電話がきた
「もしもし?」
「俺」
「うん、なに?」
「ごめん、明日から一緒に登下校できそうにない」
え…
「え!?なんで??」
「ちょっと…
朝早いっつーか」
「じゃあ遅くすればいいんじゃないの?」
「いや…それだと、多分明日香に迷惑かけるから…」
「じゃあせめて下校は一緒でいいんじゃ―」
「俺チャイム鳴ったら即帰りてぇんだ、ごめん…」
なっ…
「なんで!?
裕亮が一緒にって言ってたのに!!」
「うん…」
「クラス変わっちゃったからせめて登下校だけでも…って言ってたのに!!」
「そうだけど、ごめん」
なにそれ
急に意味わかんないよ…
「もういい、わかった」
「…」
「……」
沈黙が続いてしまった
こんな雰囲気じゃなかったら
好きだよって言って切れたのに…
裕亮のばか
私のことなんて好きじゃなくなっちゃったの?
だとしたらなんでよ
こんなに私を好きにさせといて
じゃあと言って電話を切った
それからもそんな風に思ってしまうようなことがたくさん起こった