あなたじゃなきゃ
ギィ
ばっ
「聡!!」
「………いたのか。」
「…久しぶり……。」
「ああ。」
「今、何やってるの?」
「……」
「知ってる?私、私立入ったんだよ!」
「そうか」
「!…うん、言ってなかったけど、お父さんが通帳にたっくさんお金入れて残してくれてたの!」
確かお父さんの仕事は証券会社とかなんとか…
割とお金持ちの家庭だった。
「あいつが…よかったな。」
あっ……
「許してるわけじゃないんだろ?」
「え……」
「俺は人を…、お前の父親を殺したんだ。許せるわけないよな。それなのに今ものこのこと平凡に暮らしてる。」
「許してないよ…。けど、後悔してるんでしょう?殺したこと。そのせいでお母さんも死んじゃったんだから。それが、聡への罰なんだよ。だったら私が訴えるまでもないじゃんか。」
「…………」
「今度、いつ会えるかな……」
「さぁな。」
「………私、信じてるよ。」
「……前にも言われたな。」
「うん…。」
「さとしー、今日はお父さんの誕生日だよ?どこ行くの??」
「プレゼント、買ってくんだよ。」
「じゃあ早く帰ってきてね!ケーキ皆で食べよ♪」
「ああ」
「約束ー♪」