あなたじゃなきゃ





「な…にコレ……」




目の前には両親の死体……




「さとし!!」



「………っ」



泣いて……る?




聡が家の電話をつかって警察に電話して

「両親が自殺しました」

そう言っていた。




嘘だ!!



嘘だ嘘だ嘘だ!!!




「あんたが殺したのに!!」



「ああ」



「嘘つき!!」



「ああ」




「…っ………

お母さんが赦すなら……私も許す…」


「ああ………っ」




「でも……、そのかわり……私を置いてどっか行っちゃったりしちゃだめ…。」




「!……………あぁ。」




「信じてるからね………。」



「あぁ…」




「今度は約束守ってよ…」




「……ああ」





二人で買ってきたケーキを食べた。





警察がきてから私達はそれぞれ演技をした







あの時の涙は演技なんかじゃなかったけど。








そのあと、当時11歳だった私を残して…、



聡は家を出た。





「…………信じてたのに。」





たまに帰ってきたと思ったら傷だらけで


恐かった。




何やってるのか…知りたかった…。




けど、聡は教えてくれなかった。




それは、今も。




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