あなたじゃなきゃ
「うん…。ありがとう」
「俺…………」
「食べていってよ?聡、まだ帰ってこないだろうし…。」
お父さんは、いつも12時過ぎに帰ってきているみたいだった
私が起きた頃に玄関にいて
行ってきますを言うような人だったから
きっと聡も忙しいんだ。
「何て言っていいか……」
「何も言わなくていいよ。
私にとって、友達も恋人も…
いてくれるだけで幸せなんだもん。」
「あすかぁ…」
「ゆ、柚希っ!?」
「同情とかじゃないの…そんなんじゃないけど……泣いちゃうの…」
……ふっ
「ありがとう。」
自然と笑みが零れる
これが幸せなんだろうな。
私は知らなかっただけ。
「カレー、ごちそうさま♪」
「いいえ、無理矢理で、ごめんね…」
「ううん、美味しかったw」
「じゃあ…私は先帰るよ!シュガーはもうちょっといな!」
「え!?」
「バイバーイ」
「ゆき!?じゃ、じゃあね!」
………
………
気まずい;
「俺……、お前を幸せにできるかな。
いや、幸せにしたいんだ。」
裕亮…………
「私、自分より愛せてるつもりなんだ…裕亮のこと。」