色えんぴつ
第一章
私は、昔から運のない子供だった。
ふたり姉妹の長女だったこともあり、妹と喧嘩をすれば直ぐ『お姉ちゃんでしょ』と怒られる。
両親は不仲で、毎日のように喧嘩をしていた。
そんな両親を見るのが嫌で、泣きながら喧嘩を止めていたことを覚えている。
小学生のときは、クラスのリーダー的存在の男の子の消しゴムを無くしてしまい、いじめの対象。
中学生のときは、元から不仲だった両親の喧嘩がエスカレート。
この頃にはすっかり冷めた性格になっていたので、自ら母親に離婚を勧めた。
そして、今。
15歳の私は、やっと馴染んできたブレザーを乱されながら―…
真上で喘ぐ男を、淡泊な眼で眺めている。