時刻の最果

それから数日が流れた。

あの日から僕はXiasの研究員として働き始めた。

エリックともロザンヌともそれなりに会話するようになった。 

研究所内は相変わらず不気味な雰囲気に包まれているが、それにも慣れてきた。
時折、変なうめき声が聞こえる事もあるが 一介のいち職員な僕には知らない方が身のためな事もあると思い、極力 聞こえないフリをして研究に没頭している。

僕の勤務する部署での仕事内容は、若干僕の本来の主旨とは異なるが 今はまだ仕方ない。
そのうち他の部署に回してもらえるように嘆願書でも書くつもりでいる。

今研究所で一番熱い部署は『時刻往来マシーン』
俗に言うタイムマシーンだ。
これの開発にかなり力を入れているみたいだ。

あと研究所で気になる事は
たまに、わざわざ裏口からの進入経路で
見慣れない真っ黒に塗装されたトラックが数台入ってくる。
トラックの乗務員もなぜだか全員重武装

気になる

その光景をいつも窓から できるだけ見つからないようにこっそりと盗み見る僕
気になる

まぁ研究所にいればいずれ判る時も来るだろう


研究所にいて
ひとつだけ判った事がある人類滅亡の原因とされる
コロラド彗星の衝突だが
実際には、人類が絶滅するよりも数十年も前に衝突した可能性が高い。

だとすると 何故人類は絶滅したのか?
直接的な原因は一体何だったのか?
それを隠ぺいする 政府の思惑は一体?

想像は膨らむ一方だ。


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